オフィスは「ヒト・モノ・カネ」に次ぐ第4の経営資源と言われます。
しかしこうした認識が日本の企業文化に根付いたのは、この10年余りの期間といえます。それまで、我が国ではオフィス環境の重要性についての認識が十分ではありませんでした。そのためオフィス創りの現場では、オフィス家具やパーティション設営、電気通信設備といった各分野の様々な専門業者が、十分な連携もなく個別に設備工事をしているのが実情でした。これでは最適なオフィス空間の創造などできるはずもなく、それどころか必要以上にコストや時間がかかることもしばしばでした。
これに対して、早くから企業文化が成熟し、オフィスワークの生産性や効率性についての研究が進んだ米国では、すでに1950年代から「オフィス環境は、ビジネスの成否を左右する隠れた決定要因である」との認識が経営者の間で広く浸透していました。
このような考え方を、Facility Management(ファシリティ・マネジメント)、略してFMと呼びますが、21世紀に入った我が国でも、FMの概念がようやく広まるようになってきたのです。
最適なオフィス空間の創造は、オフィスユーザーである個々のビジネスパーソンのモチベーションを向上させるのみならず、効率や生産性そして創造性を高めます。
最適なオフィス空間を創造するためには、オフィス創りの実務について十分な知識と経験を有するプロフェッショナルが、オフィス構築に携わる関係者の連携を図り、全体をディレクション(監理・監督)することが必要です。
オフィス創りのゼネラル・プロデューサーとして、オフィス創りのプロセス及びノウハウとヒューマンパワーを統合し機能させる事、それが、FMの本質なのです。